保佐人の申立ては,家庭裁判所に対して書面を提出して行うことになります。
なお,提出する家庭裁判所は,本人の住居を管轄する家庭裁判所になります。
以下に示したものは,家庭裁判所に備え付けられた申立書の書式です。裁判所のホームページからダウンロードして入手することができます。なお,保佐人の申立てにおいて,必ずこの書式を使用しなければならないというわけではありませんが,この書式を使用すると必要事項の漏れを防ぐことができます。
■ 保佐開始申立書
保佐が開始されると,本人が以下の行為を行うには,保佐人の同意が必要になります。
- 元本を領収し,又は利用すること
- 借財又は保証をすること
- 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること
- 訴訟行為をすること
- 贈与,和解又は仲裁合意をすること
- 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること
- 贈与の申込みを拒絶し,遺贈を放棄し,負担付贈与の申込みを承諾し,又は負担付遺贈を承認すること
- 新築,改築,増築又は大修繕をすること
- 土地については5年,建物については3年,動産については6か月の期間を超える賃貸借をすること
貼付収入印紙額は,補助人の権限の範囲に応じて以下のとおり異なります。
- 補助開始のみ
- 800円
- 補助開始+同意権付与
- 1,600円
- 補助開始+代理権付与
- 1,600円
- 補助開始+同意権付与+代理権付与
- 2,400円
- 「予納収入印紙」の額は2,600円となります(これは,後見登記手数料となります。)。
- 予納郵便切手は,家庭裁判所によって異なりますので,書面を提出する家庭裁判所に確認して記載する必要があります。
- 「 家庭裁判所御中」と記載された欄には,本人の住所地を管轄する家庭裁判所名を記載し,実際に申し立てを行う日を記載してください。
- 「申立人の記名押印」と記載された欄には,本人が申し立てを行う場合には本人名,代理人が行う場合には代理人名を記載します。
- 「添付書類」欄には,申立書に添付する書類を記載することになりますが,概ね以下のものとが必要になります。
- 本人の戸籍謄本
- 本人の住民票又は戸籍附票
- 補助人候補者の住民票又は戸籍附票
- 本人の診断書(家庭裁判所が定める様式のもの)
- 本人の「登記されていないことの証明書」
- 同意権又は代理権を要する行為に関する資料(同意権又は代理権付与を求める場合)
- 本人の財産に関する資料等
不動産登記事項証明書,預貯金通帳の写し等
- 「申立ての理由」と記載された欄には,「申立人と本人との関係」,「本人の判断能力」,「申立てに至った事情」,「補助人候補者」など必要な項目を記載することになります。
- 「申立ての理由」と記載された欄に対する記載は,補助人を付することが相当か否か,補助人の候補者として適切であるか否かの判断の基礎となる事実等を記載する重要な欄ですので,専門家に相談する,あるいは専門家に作成を依頼することをお勧めします。