成年後見制度には,法定後見制度と任意後見制度の2つ制度があります。
法定後見制度は,本人の判断力が不十分になった後に,家庭裁判所によって成年後見人を選んでもらうものです。
他方,任意後見制度は,本人が十分な判断能力があるうちに,将来,判断能力が不十分な状態になった場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくものです。
法定後見制度は,判断能力が不十分になった後に成年後見人を裁判所に選んでもらう制度であるのに対し,任意後見制度は,判断能力が十分な間に,自分の財産を管理してもらうなどの行為を行ってもらう人を事前に決めておくことができる制度ということができます。
法定後見制度には,本人の判断能力の程度に応じて,後見,保佐,補助の三種類があります。
また,任意後見制度にも,将来,何を託すかによって,見守り契約,財産管理契約,死後事務契約に別れ,公正証書遺言の作成も任意後見制度の一つであると考えることもできます。