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事業承継支援

相続税軽減措置

中小企業基本法上の中小企業であって、非上場会社であること、資産管理会社でないことなどの要件をみたす会社の株式や持分を相続や遺贈によって取得した場合の相続税については、税額の80%をについて納税の猶予を受けることができ、相続人が死亡するときまでその株式を保有し続けた場合などに猶予税額の納付を免除されます。この納税猶予の制度は、平成21年の税制改正によって実施されるのですが、平成20年10月1日以後に開始した相続に遡及適用される予定になっています。

中小企業基本法の中小企業

中小企業基本法の中小企業とは,以下の会社及び個人をいいます。

業種資本金従業員
製造業・建設業・運輸業等 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下

資産管理会社の適用除外

中小企業基本法の中小企業には資産管理会社は除かれます。ここで、資産管理会社とは、「簿価ベースで、有価証券、不動産、現預金等の合計額総資産の70%を占める会社」、「これらの運用収入の合計額が総収入金額の75%以上を占める会社」をいいます。ただし、有価証券、不動産などを用いて事業を営んでいる会社は資産管理会社から除かれます。

「有価証券」とは、国際証券、地方債証券、株券、その他の金融商品取引法2条1項に規定する有価証券と他の持分会社の持分となります。

「不動産」とは、所有不動産のうち、自ら使用していないものとなります。遊休地として放置している土地や、第三者に賃貸している土地、建物がこれにあたります。たとえば、従業員の社宅は自己使用になりますが、役員用の住宅は第三者に対する賃貸と判断されます。なお、不動産賃貸業を営んでいる会社は、上記の条件に該当し資産管理会社に該当する可能性がありますが、一定の要件をみたせば資産管理会社にみなされません。

有価証券や不動産、現預金以外にも、ゴルフ会員権、スポーツクラブ会員権、リゾート会員権などの施設利用に関する権利、絵画、彫刻、工芸品、陶磁器、骨董品、宝石、貴金属も含まれます。
ただし、上記の会員権、絵画、宝石、貴金属等を販売する目的で所有しているものは除きます。

そして、代表者や代表者の同族関係者に対する貸付金・未収金は、保有する現預金を計算する際に加算されることになります。

その他の適用除外

その他に、直近の事業年度における損益計算書上の総収入金額が0の場合、常時使用する従業員(使用人兼役員も含まれます。)がいない場合、風俗営業会社や、特別子会社が上場会社や大法人などの場合にも猶予を受けることができません。

計画的な承継にかかる取組

相続税の軽減措置を受けるには計画的な承継にかかる取組をおこなっていることについて経済産業大臣の確認が必要となります。

ただし、平成20年10月1日から平成22年3月31日までは施行直後であることとの関係で確認をとる必要がありません。また、相続や遺贈により株式や持分を承継させる被相続人が60歳未満の者である場合も不要です。さらに、公正証書遺言による相続または遺贈により、発行済議決権株式総数の50%を超える株式や持分を保有するに至った場合にも不要とされています。

経済産業大臣の確認を得る必要がないようにするために公正証書遺言を作成しておくメリットは高いと言えます。

被相続人の要件

被相続人が以下の要件を満たす者でなければなりません。

納税猶予を受けることができる会社の代表者であったこと
被相続人と同族関係者で発行済議決権株式や持分の総数の50%超の株式や持分を保有しており、同族内で筆頭株主、あるいは持分を有する者であったこと

後継者の要件

納税猶予を受けることができる会社の代表者であること
被相続人の配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族であること
後継者と同族関係者で発行済議決権株式や持分の総数の50%を超える株式や持分を保有しており、同族内で筆頭株主、あるいは持分を有する者であること

相続後の条件

  • 相続後5年間事業を継続すること
  • 相続後5年間、相続や遺贈を受けた人が代表者であり続けること
  • 相続や遺贈で承継した株式や持分を保有し続けること
  • 相続後5年間、雇用の8割以上を維持し続けること

ここで、雇用については厚生年金保険や健康保険加入者を基準に判断されますので、パートなどの非正規社員は除かれることになります。

相続税の軽減措置を受けるための手続

被相続人が亡くなられたときに、事業承継にかかる相続税の軽減措置を受けるための申請を行い、経済産業大臣の認定を受ける必要があります。

そして、申請を行う前提として、被相続人の生前に、計画的な承継にかかる取組についての確認が必要になります。ただし、この確認は、平成20年10月1日から平成22年3月31日までは不要とされ、被相続人が60歳未満の者である場合や公正証書遺言による相続または遺贈により、発行済議決権株式総数の50%を超える株式や持分を保有するに至った場合にも不要とされています。

経済産業大臣の認定を受けた後は1年に1回事業継続の報告を行い、確認をしてもらう必要があります。

認定の取消

事業継続の報告時に、相続税の軽減措置を受ける条件をみたしていないときには認定が取消されることになります。この報告書提出期限は、報告基準日というものが設定され、その翌日から1ヶ月以内に地方経済産業局長に対して提出する必要があり、これが履行されなかった場合には、認定自体が取消されます。そして、相続税の軽減措置を受ける条件の1つでも欠けた場合には認定が取消されます。なお、経済産業大臣が確認する事項は以下のとおりです。

  • 常時使用する従業員の数が従業員数起算日における数の8割以上を維持しているか
  • 後継者が株式などを譲渡していないか
  • 後継者とその同族関係者で総株主などの議決権数の過半数を有し、同族関係者の中で後継者が筆頭であるかどうか
  • 風俗営業会社になっていないか
  • 資産保有会社となっていないか
  • 報告基準日直近の事業年度の総収入が0でないか
  • 特別子会社が風俗営業会社になっていないか
  • 合併や株式交換などにより組織再編を行った場合の確認

これにより、存続会社において認定の効果を承継させることができます。報告書の内容に虚偽の内容が含まれている場合にも認定は取消されます。また、会社が解散したとき、経営を承継した者が死亡、途中で退任した場合、後継者の代表権に制限を加えた場合にも認定が取消されます。ただし、以下の理由により代表者に制限を加えたとしても認定が取消されることはありません。

  • 精神障害者保健福祉手帳(1級)の交付を受けたこと
  • 身体障害者手帳(1級又は2級)の交付を受けたこと
  • 要介護認定(要介護五)を受けたこと
  • 上記に類すると認められること

さらに、会社の重要な決定事項について拒否権を与えた株式(いわゆる黄金株)を後継者以外の株主に発行した場合、欠損填補目的でなく、会社財産の一部を株主に返還するために減資を行った場合にも認定が取り消されることになります。

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