現物出資の手続
【会社設立時において現物出資を行う場合】
発起人において、まず現物出資をする者の氏名または名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数を定款に記載することになります。
次に、例外として定められた場合を除き、発起人において、定款の認証後遅滞なく、現物出資に関する事項について調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任を申し立てることになります(会社法33条1項)。
検査役には、通常、弁護士が選任され、必要な調査を行い、裁判所に調査結果を提出して報告を行います(会社法33条4項)。
裁判所において、当該報告を受け、現物出資に関する事項を不当と認めた場合は、かかる定款の規定を変更する決定をすることになります(会社法33条7項)。
発起人は、変更決定確定の日から1週間以内に限り、設立時発行株式の引受を取り消すことができます(会社法33条8項)。
【募集株式発行時において現物出資を行う場合】
募集株式の発行に際して現物出資を認める場合、まず現物出資である旨並びに当該財産の内容及び価額を定める必要があります(会社法199条1項3号)。
次に、例外として定められた場合を除いて、設立時と同様に検査役の検査を受けることになります(会社法207条)。
裁判所は、検査役の調査結果の報告を受けた結果、募集事項に定められた現物出資財産の価額を不当と認めた場合は、これを変更する決定をすることになります(会社法207条7項)。
この場合、当該引受人は、変更決定確定の日から1週間以内に限り、当該募集株式の引受を取り消すことができます(会社法207条8項)。