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事業再生支援 民事再生

事業再生の手法(民事再生手続)

民事再生手続の概要

民事再生手続は、「経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする」(民再1条)手続です。

いわゆるDIP型の再建手続であり、通常は、従来の経営者が経営を続行し、再生手続並びに再生計画の適正等を監督するため、裁判所の監督命令により監督委員が選任されます。

民事再生手続は、破産手続の原因事実が生じる恐れがあるときや、弁済期にある債務の弁済を行うことで事業の継続に支障が生じる場合などに、裁判所に対する申立により開始されます。

民事再生手続は、多数決による過剰債務の解消を、比較的迅速・簡易に手続を進められる点が特徴です。

また、原則として従来の経営陣に経営権が残るため、申立への抵抗感が弱く、事業価値の劣化前に早期に事業再生が可能となる点も特徴です。

更に、会社法上の手続によることなく、再生手続の中で事業譲渡、減資を行えるというメリットもあります。

民事再生手続では、一般優先債権・共益債権は随時弁済されますが、無担保一般債権(再生債権)は、再生計画によりカットされることになります。

一方、担保権(別除権)については、手続外で自由に行使できるのが原則であり、まずは担保権の実行により弁済を受けることになるのですが、例外として、担保権実行中止命令(民再31条)、担保権消滅請求制度(民再148条以下)の制度が設けられています。

このため担保の目的物が事業の継続に不可欠な資産であるような場合は、再生会社との協議により、評価額を分割弁済して物件を受け戻す協定を締結することが通常ですが、担保権者との交渉が上手く行かない場合に、担保権を実行されてしまう可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

民事再生手続には、否認権の制度(民再135条)も整備されているため、監督委員・管財人が選任されている場合は、申立直近に流失した財産を取り戻すことも可能です。

民事再生手続とM&A

st022.jpg民事再生手続においては、再生計画に定める方法の他、裁判所の許可を得て再生計画外にて事業譲渡を行うことも可能です。

裁判所は、再生債権者や労働組合の意見を聞いた上で許可(民再42条1項)を検討することになります。

また再生会社が債務超過の場合において、事業譲渡が事業の継続に必要である場合には、株主総会決議(会社467条1項)に代えて裁判所の許可(民再43条)により事業を譲渡することもできます。

このように裁判所の許可を得て事業を譲渡することで、譲渡代金を再生債権者に対して早期に一括して弁済することも可能となります。

なお民事再生手続においては、原則として資本の部に変更はなく、株主の権利もそのままですが、債務超過の場合、裁判所の許可を得れば、再生計画において株式を取得して資本金の額の減少に関する条項を定めることができ、これにより会社法の手続によらずに株式を会社で取得して消却・減資ができることになります(民再154条3項、161条、166条、183条4項)。

この点、民事再生手続においても、経営責任を明確にするため一定の限度で減資が行われることが通常です。

この点、再生会社が閉鎖会社であり、債務超過の場合は、事業継続に不可欠であり裁判所が許可することを条件に再生計画にて募集株式を引き受ける者の募集に関する事項を定めることができます(民再162条、166条の2)。これにより株主総会の特別決議といった会社法の手続によることなく、第三者割当増資の方法により円滑に、スポンサーに対する増資を行うことができるようになりました。

一方、公開会社では、取締役会決議等、会社法上の手続(会社199条以下)により、第三者割当増資を行うことになります。

従来、事業再生を支援するにあたって、経営責任明確化のため100%減資を行う場合には、株主総会特別決議により減資手続を行うと供に、株主全員の同意を得て株式を取得する他ありませんでしたが、会社法施行により、全部取得条項付種類株式の活用により、定款変更(種類株式の発行、全部取得条項の設定)と株主総会特別決議によってこれが行えることとなりました。

再生計画の定めによる場合は、かかる手続も不要となるため、非常に円滑に100%減資を実施することができることになります。

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