事業再生支援 民事再生
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事業再生の手続(民事再生3)

開始決定

民事再生手続の申立がなされ、申立の棄却事由がなければ、通常1週間程度で、民事再生手続が開始することになります。
(1)民事再生手続の費用の予納がない、(2)係属中の他の手続(破産、特別清算)によることが債権者の一般の利益に適合する、(3)再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らか、(4)不当な目的により、或いは不誠実な再生手続開始の申立てがされた、といった場合、民事再生手続の申立は棄却されます(民再25条)。この棄却事由の調査は監督委員が行い、裁判所に報告します。
民事再生手続が開始後における手続の取下は許されません。
開始決定にあたり、法人である再生債務者の財産の管理・処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業継続のために特に必要のあるときは、例外的ですが、利害関係人の申立または職権により、管財人が選任されることがあります。
この場合、再生手続開始決定までの間、保全管理人の選任が命じられることが多くあります(79条1項)。

債権届出

開始決定がなされると、開始決定通知が再生債権者に対してなされ、併せて債権届出の催告がなされます。
再生債権者は、債権届出書を、届出期間(開始決定から6週間程度)までに提出(民再94条、99条?101条)しなければなりません。
届け出られた債権については、再生債務者において認否(民再101条)することになりますが、届出債権者は、一般調査期間内は書面にて異議を述べることができます(民再102条1項)。異議がなかった債権については確定(民再104条)します。
st028.jpg調査結果に異議がなされた場合、当該再生債権者は、調査期間の末日から1ヶ月以内に再生債務者並びに他の再生債権者を相手に査定の裁判を申し立てることができます(105条)。査定の裁判では裁判所が決定により債権の存否・額を定めますが、これに不服の場合は、査定の裁判の送達を受けた日から1ヶ月以内に、異議の訴えを提起できます(106条)。
異議等のある債権について、訴訟が係属していた場合は、中断中の訴訟について異議者等全員を相手方として受継手続の申立を行い、解決することになります(民再107条)。
担保権については別除権として扱われるため、届出等は不要ですが、一定の要件の下、担保権実行手続の中止命令が認められています(民再31条)。
なお共益費用、再生手続開始後の経費、監督委員の報酬等の共益債権については、随時弁済されることになります(民再121条)。
また例えば、申立後にDIPファイナンスを受けた場合等、民事再生手続申立後開始決定までの間の事業継続により生じた請求権については、裁判所の許可(監督委員の承認)により共益債権化することが認められています(民再120条1項)。

財産評定書の提出(開始決定から1ヶ月)

再生債務者の一切の財産については、民事再生手続開始時の価額を評定し、これに基づいて財産目録及び貸借対照表が作成されることになります(民再124条)。
評定は、原則として財産を処分する場合における、いわゆる「処分価格」により評価します。民事再生手続における弁済総額は、破産した場合における配当額を下回ることは許されず、財産評定は、再生債権者に対し、清算価値を保障する機能を有します。

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