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事業再生支援 私的整理

事業再生の手続(私的整理GL2)

私的整理ガイドラインに基づく私的整理手続

私的整理申出の準備

私的整理ガイドラインによる私的整理手続は、どのような企業でも利用できるわけではなく、次の要件を満たした企業が対象となります。

  1. 過剰債務を主因として経営困難な状況に陥っており、自力による再建が困難であること。
  2. 事業価値があり(技術・ブランド・商圏・人材などの事業基盤があり、その事業に収益性や将来性があること)、重要な事業部門で営業利益を計上しているなど債権者の支援により再建の可能性があること。
  3. 会社更生法や民事再生法などの法的整理を申し立てることにより当該債務者の信用力が低下し、事業価値が著しく毀損されるなど、事業再建に支障が生じるおそれがあること。
  4. 私的整理により再建するときは、破産的清算はもとより、会社更生法や民事再生法などの手続によるよりも多い回収を得られる見込みが確実であるなど、債権者にとっても経済的な合理性が期待できること。

対象企業が、私的整理ガイドラインに沿った私的整理を行うには、まず主要債権者に対して私的整理の申出を行う必要がありますが、この申出にあたっては、「債務者は主要債権者に対して、過去と現在の資産負債と損益の状況、及び経営困難な状況に陥った原因、並びに再建計画案とその内容などを説明するに足りる資料を提出する。」とされています。
つまり、私的整理の申出を行おうと考えた場合、対象企業は、上述のとおり、1.自力再生の困難性、2.事業価値の存在と債権者の支援による債権の可能性、3.法的整理手続による事業価値毀損の可能性、4.債権者の経済的合理性が、それぞれ存することを説明するとともに、従前の損益状況、窮境原因、再生計画案を説明する資料を、予め準備しておかなければならない、ということになります。

st169.jpgこのとおり、私的整理ガイドラインによる私的整理を行う場合、申出の前から、相当入念な準備をしておくことが必要となります。この段階で、スポンサーを選定するという、いわゆるプレパッケージ型の私的整理も有り得ます。
これらの過程において、財務デューデリジェンスを行い、法的整理を行った場合とのメリット・デメリットを検討し、法的整理手続による事業価値毀損がどの程度になるかと言った点、全対象債権者からガイドライン手続による再建計画に同意が得られる見込みがあるのかを見極めた上で、私的整理を選択した場合は、私的整理の申出を行うことになります。

私的整理の申出

私的整理の申出は、主要債権者に対してなすものとされます。
通常はメインバンクが主要債権者ということになりますが、大口債権者もケースによっては該当する場合があります。
対象会社について私的整理ガイドラインの適格性が認められる場合は、私的整理の申出前に、主要債権者と協議して、具体的な準備を始めることになります。
このような私的整理の準備は、対象会社から主要債権者に対して持ち込むだけではなく、メイン銀行である主要債権者から対象会社に対して働きかけて始まることもあります。
具体的な準備としては、まず対象会社と主要債権者との間で、私的整理を行うことの基本合意を締結することになります。

次に、私的整理ガイドラインによる私的整理については、原則として一時停止後2週間以内に第1回債権者会議、第1回催権者会議から3ヶ月以内に第2回債権者会議を行うと言った時間的制約があることからタイムスケジュールを決定する必要があります。
また私的整理ガイドラインによる再建計画により権利変更を受ける対象債権者の範囲をどうするかについても検討する必要があります。通常は、金融機関のみを対象債権者としますが、金融機関以外の大口債権者がある場合において、その協力を得なければ再生が困難な場合には、対象債権者に含めることについて検討が必要となります。
逆に、対象債権者の数を減らして同意を得やすくするために少額債権者については、対象から外すという選択肢もあり得ます。

また担保により100%債権を保全している金融機関については、再生計画によって影響を受けないことから対象債権者には含まないものとして取り扱うことになりますが、期限の猶予といった支援を求める場合は、対象債権者に含めることもあり得ます。
更に、対象会社と訴訟中の金融機関についてどうするか、と言った問題もあります。これについては「訴訟中」であるとの事実をもって対象債権者から除外することはできませんが、この点は、再生計画について同意を得られる見込みがあるかという判断においても検討が必要になってくる点です。

私的整理の開始

対象会社から私的整理の申出が主要債権者に対してなされ、対象会社と主要債権者の連名にて対象債権者に対して一時停止の通知が発送されることにより私的整理手続が開始します。通常、一時停止の通知はファクシミリにて送信され、直ちに対象債権者に対する面談の申し入れを行い、説明資料を持参して個別説明を行うことになります。
その他、対象債権者以外の関係先(監督官庁、証券取引所、従業員・労働組合、取引先、マスコミ)に対しても適宜、情報を通知・開示していくことになります。
なお第1回債権者会議において一時停止通知が追認されず、ガイドライン手続が不成立となる見込みが高い場合は、不成立と同時に、民事再生手続や会社更生手続といった法的整理の申立ができるよう準備しておき、事態の収拾を図らなければならないことになります。

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