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「明渡し料」とは

長年建物や土地を賃借していた賃借人から、「建物や土地を返還したいが、ついては明渡料を支払って欲しい。」という要求をされているが、これに応じなければならないのかという趣旨の相談を受けることが少なからずあります。

このような要求を受けられる方というのは、マンションを賃貸されている方よりも連棟の長屋をお持ちの方、住居用に土地を貸しておられる方、しかも非常に長期間賃貸されている方に多いという傾向があります。

また、賃借人が高齢の方で一人暮らしが困難になった、住んでおられた方が亡くなったことを契機に、その息子さんや娘さんから要求を受けることが多いと感じています。

賃借人側の何らかの事情で賃貸借契約の継続が困難になり契約を終了させたいという申し出は、法的にみれば賃貸借契約の合意解約の申し入れにあたります。
仮に、もともと住んでおられた方が亡くなられたとしても賃貸借契約に基づく「賃借人たる地位」は相続人に相続されており、賃貸借契約が終了するわけではありませんので、亡くなられた方の相続人から同様の申し入れがあった場合にも同様のことが言えます。

st190.jpg賃貸人が債務を履行せず賃貸借契約の継続が不可能であるという理由で契約の解除を主張する場合であれば、賃借人の意思表示のみで契約を解除することができます。しかし、賃借人側の事情によって契約を終了させることの申し入れは、賃貸人がこれに同意し合意解約に応じない限り賃貸借契約を終了させることができません。まして、賃借人側の事情によって賃貸借契約を終了させる場合に「明渡し」料が発生することもありません。

賃借権は、継続的に土地や建物を使用する権利ですから、当然のことながら財産的価値が存在します。そして、相続税を割り出す際の財産の中には賃借権も含まれており、場所によって異なりますが路線価の5割ないし6割程度の評価が賃借権の評価とされることもあります。

このような相続税を算定する際のルールが影響しているのか賃借人側の事情により賃貸借契約を終了する場合においても、賃貸人が賃借権を取得するのであるから対価の支払いを受けて当然であると勘違いされている方が少なからずいるのかもしれません。

しかし、賃借人側の事情により賃貸借契約の終了を希望し、賃貸人がこれに応じた場合、建物の賃貸借の場合には建物の中のものを撤去し原状に復す、土地の賃貸借の場合には建物を撤去して原状に復すことになるだけです。

「明渡し」料の話しが出てくるのは、賃貸人側の一方的な事情で賃貸借契約を終了させるときです。
このときには賃借人としても賃貸人の一方的な主張を拒否することができますので、敢えてこれに応じてもらうための対価として「明渡し」料の話しが出てくるのです。

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