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具体的な手続(株式交換)

株式交換の手続

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株式交換契約締結まで

デューデリジェンスの実施、株式交換契約の内容確定

デューデリジェンスの結果、対象会社と株式交換を行うことが決まれば、次に対象会社の株式を取得する対価として、対象会社の株式1株に対して自己株式何株を交付するか(あるいはいくらの現金を交付するか)等株式交換契約の内容を決定することとなります。

取締役会の承認

このようにして株式交換契約の内容が確定すると、両当事会社において株式交換契約締結について、取締役会の承認等を得る必要があります(会社法362条4項)。取締役会設置会社においては、取締役会決議、取締役会設置会社以外の会社(委員会設定会社を除く)においては、取締役の過半数による承認が必要となります。
株式交換契約の締結は「重要な業務執行」に当たるのが通常ですので、執行役への委任はできません。
両当事会社で株式交換契約の締結が承認された後、株式交換契約を締結します(会社法767条)。

株式交換契約締結から効力発生日まで

事前開示書類の備置

以下では、主に株式交換独自の手続について説明しますが、当然、株主総会の準備もこれから述べる手続と並行して行う必要があります。
株主が株式交換に賛成するべきか否かの判断資料、債権者が株式交換に対して異議を述べるべきか否かの判断資料とするため、両当事会社は、通常、株式交換の承認を求める株主総会の2週間以上前から株式交換の効力発生後6カ月を経過する日まで、所定の書類を両当事会社の本店に備え置かなければなりません(事前開示書類の備置。会社法782条1項、794条1項)。
開示すべき事項は以下のとおりです(会社法施行規則184条1項)。

  1. 交換対価の相当性に関する事項
  2. 交換対価について参考となるべき事項
  3. 株式交換に係る新株予約権の定めの相当性に関する事項
  4. 計算書類等に関する事項
  5. 債権者保護手続において異議を述べることができる債権者がいる場合、株式交換が効力を生ずる日以後における完全親会社の債務(当該債権者に対して負担する債務に限る)の履行の見込みに関する事項

株主に対する通知

そして、後述する反対株主の株式買取請求権行使の機会を保障するため、株式交換の効力発生日の20日前までに株主に、株式交換する旨等を通知する必要があります(会社法785条3項、4項)。
なお、株式交換に関する株主総会を開催する場合にも、通常の株主総会同様、株主に対する招集通知を発送する必要があり、招集通知において、株式交換に係る議案の内容、株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得に係る議案の内容を記載しなければならないほか(会社法298条1項5号、299条4項、会社法施行規則63条7項ル、ヲ)、書面によって議決権を行使することができることとした場合には、招集通知に際して交付する株主総会参考書類(会社法301条)の中で以下の事項について記載しなければなりません。

  1. 株式交換を行う理由
  2. 株式交換契約の内容の概要
  3. 完全子会社の場合、株主総会の招集を決定した日における事前開示事項の概要
  4. 完全親会社の場合、株主総会の招集を決定した日における事前開示事項の概要

債権者に対する株式交換に関する通知・公告

また、後述するとおり、株式交換において債権者保護手続が必要となるのは例外的な場合ですが、債権者保護手続が必要な場合には、株式交換の効力発生日より前に、異議申述期間を1か月以上もうけて、株式交換に関する公告・催告を行わなければなりません(会社法789条2項、799条2項)。

株主総会決議

株式交換を行うには、原則として、株式交換の効力発生日の前日までに、両当事会社において、株主総会の特別決議による承認を得なければなりません(会社法783条1項、795条1項、309条2項11号)。

債権者保護手続

株式交換は、両当事会社は独立の法人格を維持するため、債権者保護手続が必要となるのは以下の例外的な場合に限られています(会社法789条1項3号、799条1項3号、768条1項4号ハ、)。
すなわち、完全子会社となる会社においては、株式交換契約において、新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合、完全親会社となる会社においては、完全子会社となる会社の株式を取得する対価として株式(その他これに準ずるもの)のみを交付する場合以外の場合には、会社の資産に変動が生じるので例外的に債権者保護手続が必要とされています。
債権者が異議を述べた場合、株式交換をしても債権者を害する恐れがない場合を除いて、両当事会社は、当該債権者に対して債務を弁済する等しなければなりません(会社法789条5項、799条5項)

反対株主の株式買取請求権

前述のとおり、株式交換を用いると、一部の株主が株式交換に反対した場合でも、株主総会決議を経ることで、対象会社の全株式を強制的に取得することができます。
そこで、株式交換に反対する株主には、投下資本の回収の機会を保証するため、会社に対して自己の有する株式を公正な価格で買取るべきことを請求することができる権利(反対株主の株式買取請求権)が認められています(会社法785条、797条)。
この権利を行使するためには、株式交換を承認する株主総会に先立って、株式交換に反対である旨を会社に対して通知し、かつ当該株主総会において、株式交換に対して反対する旨の議決権を行使する必要があります(当該株主総会において議決権を行使することができない株主については、この手続は必要ありません。また、簡易株式交換の様に株主総会決議が不要である場合には、すべての株主が反対株主となることができます)。
なお、買取価格の協議が整わなかった場合には、反対株主あるいは会社は、裁判所に対して買取価格決定の申立てをすることが可能です(会社法786条2項、798条2項)。

株券及び新株予約権提出手続

株式交換により完全子会社となる会社が株券発行会社(会社法117条6項)であって現実に株券を発行している場合、効力発生日までに株券を提出しなければならない旨を、効力発生日の1か月前までに公告し、かつ株主及び登録株式質権者に対して各別に通知しなければなりません(会社法219条1項7号)。提出された株券は、効力発生日に無効となります(会社法219条3項)。
このことは、株式交換により完全子会社となる会社が、新株予約権証券を発行している場合で、株式交換の対価として、完全親会社となる会社の金株予約権を交付する場合も同様です(会社法293条1項6号)

効力発生日以降

両当事会社の株主総会において、株式交換契約の締結が承認されると、株式交換契約に定めた日に効力が発生します(会社法769条1項2号)。
株式交換完全子会社と株式交換完全親会社は、共同して、所定の事項を記載した書面を、株式交換の効力発生後遅滞なく作成し、効力発生日から6か月間、本店に備え置く必要があります(会社法791条1項2号、811条1項2号)。
事後開示書類に記載すべき事項は以下のとおりです。

  1. 株式交換が効力を生じた日
  2. 完全子会社における株式買取請求、新株予約権買取請求、債権者保護手続の経過
  3. 完全親会社における株式買取請求、債権者保護手続の経過
  4. 株式交換により完全親会社に移転した完全子会社の株式の数
  5. その他株式交換に関する重要な事項

これらの書類に関しては、株式交換完全親会社の株主及び債権者(会社法801条6項)並びに株式交換の効力発生日に株式交換完全子会社に株主及び新株予約権者であった者(会社法791条4項、811条4項)の閲覧及び謄本・抄本交付請求に応じる必要があります。
株式交換に伴い、株式交換完全親会社の資本金の額や発行株式総数を変更した場合、その旨の登記を効力発生日から2週間以内に行う必要があります(会社法921条)。

略式株式交換・簡易株式交換

株式交換以前から親子関係が存在する場合において、親会社が子会社の特別支配会社である場合(会社法468条1項、会社法施行規則136条。典型的には、親会社が子会社の総株主の議決権の90%以上を保有している場合)、両会社における株主総会決議の承認が不要となる略式株式交換の手続をとることができる場合があります。
また、(1)株式交換によって完全親会社となる会社が完全子会社となる会社に対して交付する株式の数に1株当たり純資産額を乗じて得た額と、(2)株式交換よって完全親会社となる会社が完全子会社となる会社に交付する社債損他財産合計額が完全親会社となる会社の準遺産額の5分の1を超えない場合には、完全親会社となる会社に及ぼす影響が小さいので、完全親会社となる会社での株主総会決議は不要となる簡易株式交換の手続をとることができる場合があります。

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