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M&Aの利点

hend_ma.jpg前稿では、事業承継の難しさと、第三の方法としてM&Aについて簡単に触れました。 中小企業の事業承継の場面において、適任となる後継者がいない場合、会社としては、上場という特異な場合を除き、(1)会社を清算して株主分配するか、(2)第三者にM&Aで会社を売却するしかありません。 そこで、会社を清算する場合と第三者にM&Aで売却する場合、どちらが社長(株主)にとって有利か比較検討してみます。
例えば、非常に簡略化してご説明するために、簿価として、現預金1億円、棚卸資産1億円、機械設備1億円、建物1億円、土地1億円、上場投資有価証券1億円、合計6億円の資産、買掛1億円、借入3億円、合計4億円の負債がある会社があるとします。

この会社を清算して全ての資産を早期処分して現金化するとした場合、通常、棚卸資産は半額程度になる場合が多く、機械設備は今後使用しないため無価値(逆にスクラップ費用が発生する場合有り)、建物も工場等であれば利用価値がなく大半は解体して無価値(逆に解体費用が発生する場合有り)、土地は立地等にもよりますが工場等であれば売却価格は半額程度になることが多いですし、土壌汚染有無についてのコストが発生する場合もあります。
st119.jpg負債では、買掛、借入は簿価をそのまま支払わなければなりません。なお、会社を清算する以上、会社都合として、従業員等への退職金等も上乗せして支払わなければならないことが多くあります。
従いまして、上記の例でいえば、清算した場合、現預金1億円、棚卸資産0.5億円、機械設備0円、建物0億円、土地0.5億円、上場投資有価証券1億円、合計3億円の資産、買掛1億円、借入3億円、合計4億円の負債となり、債務超過となります。
この場合、特別清算をするか、破産等の手続きをとらざるを得ず、当然、社長(株主)に分配はありません。

これに対し、M&Aで第三者に売却する場合はどうでしょうか。
M&Aにおいても、時価評価はされるのですが、その時点で売却するのではなく、事業を継続させることが前提ですので、清算を前提とした評価はされません。
従いまして、例えば、上記の例でいえば、現預金1億円、棚卸資産0.8億円、機械設備1億円、建物1億円、土地1億円、上場投資有価証券1億円、合計5.8億円の資産、買掛1億円、借入3億円、合計4億円の負債となり、1.8億円の資産超となります。
しかも、M&Aでは、資産の価値だけでなく、企業が将来生み出す利益についても、評価に加算されます。
すなわち、当該会社が多くの利益を生み出している場合、その売却価格は、1.8億円ではなく、2億円にも3億円にもなる可能性があります。

これだけ見ても、清算よりも、M&Aの方が有利であることがよく分かります。
しかも、清算の場合は、従業員の雇用を奪うことになり、従業員やその家族に多大な迷惑がかかりますが、M&Aでは、雇用が維持されることが条件となります(譲受会社としては、事業を買うのですから、基本的にその内容となっている従業員は会社にいてもらいたいのが通常です)。

後継者が不在の会社におかれましては、M&Aによる事業承継を真剣に検討されてみてはいかがでしょうか。

弁護士 吉村洋文

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