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第三者への事業承継としてのM&A

hend_ma.jpg前稿においては、M&Aが大企業や、一部のマネーゲームに興じる人たちだけのものではないこと、日本で行われているM&Aの大半が中小企業を当事者とするM&Aであること、中小企業を当事者とするM&Aでは友好的なM&Aがほとんどであることを説明しました。
では、なぜ、中小企業を当事者とするものがM&Aの大半を占め、それが友好的に行われているのでしょうか。
この答えを得るには、会社を譲渡す側の事情と譲受ける側の事情を理解する必要があります。
本稿では、まず、会社を譲渡す側の事情について説明することにします。

会社を起した者が生きている間に、会社の行方について選択できる方策としては以下の3つしかありません。

  • 上場して会社を多数の株主のものとする
  • 事業を承継する
  • 廃業する

まず、上場して会社を多数の株主のものとする選択肢について検討します。 東京証券取引所などの金融商品市場に上場するためには様々な条件をクリアーしなければならず、仮にこれをクリアーすることができたとしても、上場を維持する中で有価証券報告書等の提出、内部統制報告書の提出をはじめとした煩雑な事務が増加する上に、会計監査人の費用をはじめとした多額の上場維持コストが必要になります。これらをクリアーすることができる会社は、数多く存在する会社のごく一部でしょう。 ですから、これを一般的な選択肢の一つとみることはできません。
st164.jpg次に、廃業するという選択肢について検討します。
会社を起した者が生きている間に廃業して会社財産を処分して株主に配当した場合、会社財産を処分する際と株主に配当する際の2度にわたる課税が待っています。
この結果、株主に配当される財産が2度の課税により大きく目減りしてしまいます。
また、会社を廃業するということは、長年にわたり築き上げてきた得意先などの商圏や非常に優れたノウハウを失うとともに、そこで働く従業員から職を奪い、得意先にも迷惑をかけることになります。
以上のように、廃業するという選択肢は、株主、従業員、得意先などにとってメリットがありません。

残る選択肢は、事業を承継するという方法です。
事業を承継する相手としては、ご子息などの身内、長年にわたり右腕として働いて来られた取締役あるいは従業員、第三者のいずれかです。

ご子息などの身内の方があなたの会社で働いてくれておれば、その方に事業を承継することができ、経営者にとってはベストな選択といえるでしょう。
しかし、最近では、ご子息などが大企業等に勤務しており跡を継ぐ意思がないという話をよく聞きます。
また、経営者のもとで就業しているご子息などがおられたとしても、経験・能力面で、あるいは業界の先行きを考えると、その方に跡を任せるのは不安であるという話もよく聞きます。

また、経営者の右腕として働いて来られた取締役あるいは従業員についても、事業を承継するための資金を用意することができない、金融機関に対して連帯保証を負ってまで事業を承継する心意気がない、あるいは経験・能力面で不安であるなどの理由で事業を承継させることができないという話もよく聞きます。

不幸にも、ご子息などの身内や、長年にわたり右腕として働いて来られた取締役あるいは従業員に事業を承継できない場合には、第三者に事業を承継する以外に方策がないのです。
この第三者への事業承継がまさしくM&Aであり、7割を占める中小企業のM&Aのほとんどが承継者がいない、あるいは承継させることに不安を感じて行われるM&Aなのです。

多くの中小企業が承継者問題を抱え、一説では2社に1社が承継者問題を抱えているとも言われています。 そして、このような会社の選択でM&Aが行われるわけですから、中小企業においては友好的なM&Aが多くなるのです。

弁護士 冨宅恵

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