知的財産
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企業秘密の管理体制

保護される営業秘密

保護される企業秘密正競争防止法により、営業秘密として保護されるためには、秘密管理性、有用性、非公開性の3つの要件が必要となります。つまり、秘密の状態で管理をし続けなければならないのです。

当然のことながら、情報を秘密の状態で管理し続けるには、企業においてそれなりの管理体制が必要になります。

情報を秘密の状態で管理し続ける体制として、一般的に以下の3つの管理が必要になります。

  • 物理的・技術的管理
  • 人的管理
  • 組織的管理

物理的・技術的管理

まず、物理的・技術的管理の前提として情報の区分が必要になります。これも既に説明しましたが、情報の区分には物理的な区分と技術的な区分に大別する必要があります。なお、情報を区分する際、その情報の重要性や量を考慮して、区分の方法等を検討しておく必要があります。

次に、上記のように区分された情報へのアクセス制限が必要です。
裁判例においても、この「アクセス制限」が秘密管理性判断の重要な要素となっていますので、情報媒体の取扱い等については留意が必要なところです。

人的管理

秘密情報を秘密の状態で維持し続けるには、それを取り扱う従業員に対する教育や研修が必要になります。
企業において、いくら秘密管理体制を整えていたとしても、それを取扱う従業員から情報が流出するのでは全く意味がありません。

ですから、従業員に対する、競争力を維持する上での秘密情報の重要性を理解してもらい、その取扱いには留意する意識をもってもらう必要があるのです。
それと並行して就業規則や秘密保持契約等で、従業員に法的な義務を負わせておく必要もあります。

組織的管理

組織的管理方法として、PDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)の確立が有効であると言われています。

PCDAサイクルとは、製造業や建設業などにおいて、生産管理や品質管理などの管理業務を計画通りスムーズに進めるための管理サイクル・マネジメントサイクルのことで、秘密情報の管理の実行性を高めるためには、このPCDAサイクルが有効に機能すると言われています。

また、内部監査、内部通報制度を確立して、情報の漏洩を未然に防ぐ体制も必要になるでしょう。

以上、営業秘密の管理について、物理的・技術的管理、人的管理、組織的管理が必要であることについて説明しましたが、このような体制整備については、「知財人材スキル標準」が大変参考になります。

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