禁止権は類似の商品・役務に及ぶため、商品・役務の類否から判断
商標権を侵害するか否かは、商標の類否・指定商品・役務の類否を判断することになります。
では、商品・役務の類否判断はどのように行うのでしょうか。
商品・役務に同一・類似の商標が使用されたときを想定して、商品・役務が同一の営業主の製造又は販売に係る商品・役務であると認識されるかどうかにより商品・役務の類否を判断します。
具体的には、以下の各要素を検討して総合的に判断します。
商品の類似
- 生産、販売部門が一致するか。
- 原材料、品質が一致するか。
- 用途が一致するか。
- 需要者の範囲が一致するか。
- 完成品と部品の関係にあるか。
役務の類似
- 提供の手段、目的又は場所が一致するか。
- 提供に関連する物品が一致するか。
- 需要者の範囲が一致するか。
- 業種が同じか。
- 当該役務に関する業務や事業を規制する法律が同じか。
- 同一事業者が提供するものか。
商品と役務の類似
- 商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によるのが一般的か
- 商品と役務の用途が一致するか。
- 商品の販売場所と役務の提供場所が一致するか。
- 需用者の範囲が一致するか。
なお、商標法は、「商品に類似するものの範囲には役務が含まれることがあるものとし、役務に類似するものの範囲には商品が含まれることがあるものとする。」と規定しており、商品と役務が類似することがあることを確認しています。