コーポレートガバナンス
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取締役会の権限

取締役会は、会社の業務執行全般の決定を行うことになっていますが、日常的な業務の大部分の決定権限を代表取締役に移譲しています。
ただし、会社法では必ず取締役会において決定しなければならない事項を定めており、定款において会社法に定められていない事項についても取締役会において決定しなければならないように定めることもできます。

会社法において取締役会において決定しなければならないものとして定められているものは以下の事項です。

  • 代表取締役の選任・解任
  • 重要な財産の処分、譲受け
  • 多額の借財
  • 支配人その他の重要な使用人の選任・解任
  • 支店その他の重要な組織の設置、変更、廃止
  • 社債の募集に関する事項
  • 内部統制システムの整備

取締役会は各取締役が召集する権限を有しています。ただし、定款又は取締役会において取締役会を招集することができる取締役を定めた場合には、他の取締役は召集権を有する取締役に対し取締役会の招集を求めることができ、これに応じない場合にはじめて取締役会を招集することができます。

st230.jpg取締役会は、過半数の取締役が出席しなければ成立せず、出席した取締役の過半数の決議により決定されることになります。

株主総会においては保有する株式数に応じて議決権が与えられますが、取締役会において各取締役に一つの議決権が与えられ、株式の有無、保有株式数に関係なく対等な議決権が与えられています。また、代理人が出席して議決に加わることも許されていません。

社外取締役

社会取締役とは、会社の取締役であって、おおむね

  1. 現在及び就任前10年間、当該会社またはその子会社の業務執行取締役等(業務執行取締役、執行役、支配人及びその他の使用人)でなく、
  2. その就任前10年以内において当該会社又はその子会社の取締役、会計参与または監査役であった者については、当該取締役、会計参与等への就任の前10年間当該会社またはその子会社の業務執行取締役等であったことがなく、
  3. 当該会社の親会社等の取締役、執行役、使用人でなく、
  4. 親会社等の子会社等の業務執行取締役等でなく、
  5. 当該会社の取締役、執行役、重要な使用人等の配偶者または二親等内の親族でない

ものをいいます。

三種委員会設置会社及び監査等委員会設置会社においては、取締役会において上記した社外取締役がいることが必須となります。
また、東証1部、2部上場企業においては、平成27年6月より取締役会に2名の社外取締役をおくことが義務付けられます。なお、東証が定める社外取締役は会社法の定義に加え、同業者の取締役等という要件が加わります。

取締役の報酬

取締役の報酬は、会社の業務執行上の決定事項であるため、本来であれば取締役会において決定されるべき事項です。
しかし、取締役会による「お手盛り」(取締役の報酬を自ら決定することで報酬が高額になること)を防止するため、取締役の報酬は定款あるいは株主総会において決定しなければなりません。

定款あるいは株主総会において決定すべき事項としては、

  1. 報酬の中で額が確定しているものについてはその額
  2. 報酬の中で額が確定していないものについてはその具体的な算定方法
  3. 報酬の中で金銭以外のものについてはその具体的な内容

となっています。

st224.jpg現在の取り扱いでは、

  1. 取締役一人ひとりの報酬額を株主総会において決定する必要はなく,取締役全員の報酬の総額,最高限度額を決定すればよい。
  2. 取締役全員の報酬の最高限度額の決定を行っておけば,その後の年度においても効力を有する

とされており、
実際には、株主総会で決定された取締役全員の報酬の最高限度額の範囲内で、取締役会が各取締役の報酬を決定するという方法が採用されています。

なお、取締役の賞与については、従前、利益処分案の一つとして株主総会において決定されていましたが、会社法においては、取締役の賞与についても報酬と同一の取り扱いが求められています。
また、取締役の報酬の中で金銭以外のものには「ストックオプション」があります。

ストックオプションという制度は、平成13年商法改正により法制度としてはなくなりましたが、新株予約権を利用することによりかつてのストックオプションと同様の制度を設けることができます。

例えば、払込金額を0円、新株予約権行使時の出資金額を一株500円と設定した新株予約権を取締役に与えるとします。仮に新株予約権を行使する際の株価が1000円であるとすれば、取締役は500円を出資して新株予約権を行使し、取得した株式を市場で売却すれば一株当たり500円の利益を得ることができるのです。

ストックオプションは、取締役が会社に対して貢献するためのインセンティブとなりますので多くの会社で利用されている制度です。

しかし、新株予約権をストックオプションとして利用する場合、通常、新株予約権の有利発行となります。
よって、取締役は、その株主総会において特に有利な条件や金額で新株予約権を発行する理由を説明しなければなりませんし、新株予約権の目的となる株式の種類及び数、権利行使期間、新株予約権の行使に際して出資する財産の価額、行使条件などを株主総会の特別決議により決定しなければなりません。

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