破産・特別清算
破産・特別清算

破産手続の手順

ステップ1 破産の申立て

step1.jpg破産手続は、裁判所に対して破産の申立てを行なうところから始まります。
会社自ら破産の申立てを行なうのが自己破産であり、債権者が破産の申立てを行なう場合が債権者による破産の申立てということになります。

会社自らが事業の継続が不可能であると判断して自己破産の申立てを行なう場合、会社の財産の内容、会社の負債の内容を整理して申立てを行なうことになります。ですから、破産の申立てを行なう場合には、申立て準備のために一定の時間を要することになります。
また、債権者によって破産の申立てを行なう場合であっても、債権者において把握できる限りの財産、負債の状況を整理して申立てを行なう必要があります。

ステップ2 債務者審尋

step2.jpg破産の申立てが行われると、裁判所が、破産に至る経緯や現在の財産、負債の状況を知る目的で事情を聴取します。
ただし、自己破産の申立ての場合ですと何らかの問題がない限り、申立書の内容から破産手続を行うべきか否かの確認を行いますので、裁判所による事情聴取が行われないことが一般的です。
他方、債権者によって破産の申立てが行われた場合には、債務者が破産する意思がないこと、債権者が把握している債務者の財産や負債の状況が必ずしも正確ない可能性があることから、債務者である会社に対する事情聴取を必ず行いますし、それが複数回に及ぶこともめずらしくありません。
破産手続が開始されると取消すことができなくなりますので、債権者による破産の申立てには裁判所も慎重にならざるを得ないのです。

ステップ3 保全処分等

step3.jpg破産の申立てから破産手続の開始決定までの間に債務者の財産が散逸する可能性が高い場合には、裁判所が保全処分の決定を行い財産の散逸を防止する手続を行う場合があります。
盗りつけ騒ぎが起きて収拾がつかない場合や大型の破産の場合などに保全処分の決定が行われることがあります。
ただし、盗りつけ騒ぎが予想される場合や大型の破産の場合には申立の準備を行っている段階から裁判所と打ち合わせを行いながら手続を進めていき、破産手続を行う旨の通知と破産手続開始決定とのタイムラグを可能な限り短くすることで保全処分決定を得ることなく円滑に破産手続に移行させることが少なくありません。

そもそも、保全手続は、破産申立てから管財人の選定、就任の内諾を得るのに少なくとも1週間から10日程度必要になり、その間の財産保全を行うために採られる手続です。事前に裁判所と打ち合わせを重ねて申立てを行なった場合には、このような手続は必要なくなります。
スター綜合法律事務所では、保全処分を得なくとも混乱を生じさせないように申立ての準備を行っていきますので、保全処分を助けを借りるということはほとんどありません。

ステップ4 破産手続の開始決定・破産管財人の選任

step4.jpg裁判所により破産手続きの開始が決定されると、株式会社は解散し、同時に破産管財人が選任されます。破産管財人は、裁判所から選任された弁護士が担当します。
破産の手続は、会社財産を換価して債権者に平等な配当を実現する手続です。破産管財人の当初の業務も、会社財産の調査、確認、財産の換価、散逸した財産の取戻しに集中します。
破産管財人が現在する財産の確認を速やかに終了させ、本来会社に残っていなければならない財産の調査に着手します。
破産管財人が調査は、申立の段階で遺漏している財産がないか、経営者が意図的に隠した財産がないか、破産申立ての直前に返済を行っていないか、破産申立て直前に経営者らが未払いの役員報酬の支払いを受けていないか等になります。

申立てを行なう際には時間的な制約もあり全ての財産を正確に把握することが困難な場合もありますので、意図しない財産の把握不足について問題になることは基本的にありません。
しかし、意図的に財産を隠匿している場合には、隠匿していた財産の内容にもよりますが刑事罰の対象になったり、経営者の方が債務の免責を受けることができなくなる可能性がありますので絶対に行ってはなりません。

また、破産手続において少なからず存在するのが,申立て直前の偏頗弁済です。
「家族、親族、友人には絶対に迷惑をかけることができない!」、「あの取引先には長年お世話になっているので迷惑をかけることができない!」等、経営者の方には、破産手続を行う前に返済を行っておきたい相手というものが少なからずいるものです。

このような先に返済を行っても、破産管財人が就任すると支払った先からお金を回収するだけです。破産管財人は、任意の返還に応じない場合には訴訟を行ってでも回収に努めます。
破産管財人が回収手続に時間を要するということになりますと、破産手続が長期化し、何度も裁判所に出頭しなければならないということになります。

以上のように、破産手続前に支払ったとしても意味がありませんし、お金を返還しなければならなくなった先から恨みを買うだけになる可能性もありますので、申立直前の偏頗弁済も回避しなければなりません。

ステップ5 破産債権の届出・調査・確定・異時廃止

step5.jpg破産管財人は、会社財産の換価状況により配当の見込みがあると判断した場合には、債権者に債権の届出を行ってもらい、配当すべき債権者の特定、各債権者に配当すべき金額の特定を行います。
なお、破産開始当時から配当が見込まれる事案においては、手続の当初の段階から債権の届出を行ってもらうことになります。

破産管財人は、裁判所の債権調査期日において破産債権の確定を行い、この結果に基づいて配当を実施することになります。

他方、破産管財人が財産の調査を行っても破産債権者に対する配当の見込みがない場合には、破産手続が廃止されることになります。

破産手続は、配当の見込みがなく破産手続が廃止された場合には廃止の決定により手続は終了します。
他方、配当が実施される場合には配当が行われ、債権者の異議申し立て期間が終了したに迎える任務終了集会が行われた後に手続が終了します。
なお、配当手続には、最後配当という厳格な手続の下で行われる配当もありますが、配当手続を早期に終了させるため、配当金額が少ない場合に行われる簡易配当や、届出破産債権者全員の同意が得られた場合に行われる同意配当が採用されることがあります。

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